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2010年4月の記事

らす・きあ蛇足話その35 がまん、がまん

「ラス・キア」シリーズを書いていて一番楽しいのは主人公二人の掛け合いシーンです。
どうということのない日常、どこにでもありそうな場所なのだけど、実はかけがえのない「今」を共に過ごせることの幸せ。
何気ない会話や行動から二人の個性がほの見えるような、そんなシーンを書いている時は本当に幸せです。
しかし、楽しい時間ばかり引き延ばしていては物語が先へ進みません。
これでもなるべく少ない字数で、ムダ無くストーリーの展開を追っていただけるようにと苦労しています。
これ以上けずったら説明不足で理解不能になる、ぎりぎりの線はどのあたりかと模索しています。
それでもまだまだ状況描写がくどいですね。
精進、精進。

ラス・キア 子守唄墓守虫(ララバイ・シデムシ) 第34回

 僕はいいかげん、うんざりしながら教室にはいった。
 宇多野先生がケージの前で大宮に詰め寄り、大仰に両手を振りまわしていた。右手につまんでいるのは本山のピアスだ。
「もう片方はどこへやった?」
 先生は唾を飛ばして甲高い声をあげた。
 同じ質問を何度もされたらしく、大宮は泣きはらした顔で単調に返事した。
「餌入れで一個みつけただけです。本当にそれしか知らないんです」
「なんでこんなものが鳥かごから出てくるんだ。お前が盗ったのか。もう片方はどこに隠した」
 大宮はわけがわからないという顔であたりを見まわした。ほとんどの生徒達は教室を出てしまったあとで、残った数名も何も言おうとしなかった。先生の目つきを見れば、まともな会話が成立しないことは明らかだ。
「餌を掃除してたら出てきただけです」
 大宮の精一杯の返事も先生をますます刺激しただけだった。
 先生はいきなりケージをつかんでひっくり返し、底板を引き抜いて巣箱をつかみだそうとした。
 水と餌が散らばり、文鳥が鋭い叫びをあげてめちゃくちゃに羽ばたいた。
「やめてください!」
 大宮が先生の腕にすがったはずみでケージが音をたてて転がり落ちた。大口をあけた底部から文鳥が飛び出して、教室の窓枠に飛び移った。あっという間もなかった。小鳥は開け放たれた窓から雲の垂れた鈍色の空に飛びたった。
 大宮は両手で口を覆ってその場にへたりこんだ。呆然と窓を見つめ、うつむいて嗚咽をもらした。
 御影が先生の横をすりぬけて大宮の前に膝をつき、空っぽのケージを拾い上げた。
「なんだ、お前は。その態度……」
 宇多野先生は御影まで怒鳴りつけようとしかけたが、僕が見ていることに気がついてあわてて口を閉じた。頭にのぼった熱がすっとひいたようだ。
 とりつくろうような咳払いをしてピアスをワイシャツの胸ポケットにすべりこませた。
「校則の禁止品だ。拾得物だが、学校預かりになるぞ」
 先生は今までのやりとりなどなかったみたいな顔をして、見かけ平然と教室を出ていった。
 僕は教室後方の用具入れから箒とちりとりを持ち出して、床に散らばった餌をはき集めた。
 そのあいだに御影は拾った餌箱と水入れに新しい餌と水を入れなおして元通りケージにセットした。
「あの子が帰って来たときに家がなくなってたら困るでしょ」
 明るい声をかけられて、大宮は涙をぬぐいながら少しだけ笑った。


2003/09/09 Tue.

 始業前の教室に生徒が登校してくるたび、さざなみのように噂話がひろがっていった。一晩あけたことで生徒達の気分も落ち着き、おしゃべりのねたにする余裕ができたのか。直接僕に話しかけてくる者はいなくても、耳をそばだてているだけで大筋はつかめた。

 伏見先生が体育館に戻ったとき、門真とキアはまだあのまま、にらみ合っていた。先生はその場で二人を一喝し、指導室に引き立てて説教した。門真はべらべら自己弁護を話して止まることを知らず、授業をさぼろうという魂胆がみえみえだったので、すぐに追い出された。
 キアは一言も口をきかなかったことで何時間も生徒指導室に閉じこめられた。最終的に解放されたのが何時だったのか、知っている者はいないようだった。
 同じ頃、住之江の母親が校長室に乗り込んできた。息子のけがの原因について教師達に問いただしたらしい。
 伏見先生は住之江のことを、いつ誰からどんなふうに聞いたんだろう。

 キアは予鈴ぎりぎりに登校してきた。僕を見ようともせず、最後列の自席に足を投げ出して座った。
 転校してきた直後と同じ、人を寄せつけない雰囲気にたじろいだ。
 声をかけたものかどうかと迷っているうちにSHRが始まり、めずらしく時間通りに宇多野先生が現れた。
「昨日、体育の授業中に暴力事件があった」
 今朝は先生まで一学期に戻ったみたいにしゃんとしていた。
「今日の放課後、保護者同伴で加害者から被害者に謝罪をさせる。親が来る前に逃げたりするなよ。わかってるな。門真。葺合」
 声に出して抗議するのをがまんするために、拳をにぎりしめた。爪が手のひらに食い込んだ。
 なんでキアの親が呼ばれるんだ。いったい、教師達は体育館で何があったかわかっているのか。住之江から事情を聞かなかったのか?
「お前達も、親を呼ばれたくなかったら、ちょっとは態度を慎め」
 後席の女子が僕の椅子の脚をけとばした。
「今まで保護者の呼び出しなんてしたことないやん」
「住之江の親父が大学の先生やから、校長もびびってんのよ」
 聞こえよがしの放言を先生は無視して出て行った。

 僕はキアの席の横に身を屈めて小声で訊いた。
「どういうことだよ。お前、ちゃんと説明しなかったのか?」
 キアは面倒くさそうに髪をかきあげた。
「聞きたい返事しか待ってへん奴に何が言える?」
「お父さん、来るのか?」
「知るか。教頭が勝手に電話しとったわ」
「家に帰ってからお父さんと話はできたのか?」
「仕事で出たまんまやから、昨夜は会うてへん」
「じゃあ、校長はどうやって連絡を……勤め先の電話、お前が教えたのか?」
「時間がなかった。夕刊配達に遅れたら、今度こそクビや」
 キアはそこまで淡々と応えて生あくびをした。なんだか目の表情が虚ろだった。
 目の上の痣を見せられたときと同じだ。父親の話になると、キアはいつものキアでなくなってしまう。
「もうええやろ。今日も早いとこ済ましてバイトに行かんならん」
 それ以上、話は続かなかった。

 住之江は二限目の途中から登校してきた。
 赤黒く腫れた唇がめくれて、抜けかけた前歯を金属の装具で固定しているのがのぞいていた。
 怯えたように僕の視線を避けていたが、ここで引き下がるわけにはいかない。
 休み時間、教室の片隅に追いつめて疑問をぶつけた。
「おい。いったい、先生たちにどんな説明をしたんだ?門真に何をされたか言わなかったのか?」
「そんなこと……ちくったら仕返しされるし……」
「じゃあ、葺合に助けてもらったってことも言ってないのか?」
「先生が……伏見先生が、あいつらが悪いんやろてそればっかり……怖い顔して聞くから」
「それで?」
「はい、はいって返事しただけ……」
「それじゃ事情が通じないだろ!葺合は……」
 住之江は上目遣いに僕の顔をうかがった。
「葺合くんは仕返ししないよね?」
「……だからって……」
 あきれ果てて絶句してしまった。
 門真が怖い。伏見先生が怖い。怖くないキアになら、何をしても許されると思っているのか?
「住之江、今からでも遅くない。先生に本当のことを……」
「無理だよぉ。もうマ……お母さんも知ってるもん。お母さん、めちゃ怒ってるのに……」
 母親も怖いのか。叱られて言い訳をする幼児のように目を潤ませた住之江を見ていると、何を言っても無駄に思えて気持ちが萎えてしまった。
 こいつ、いったいどんな顔をして葺合親子と顔をあわせるつもりなんだ?

 六限目が始まってまもなく、校舎裏の来客用駐車場にシルバーグレーのプリウスがすべりこんできた。運転していたのは住之江の母親だ。
 授業が終わるとすぐに宇多野先生がキアと門真、住之江を呼びにきた。
 担任のいないSHRがなしくずしに終了した頃、古ぼけた軽トラックがプリウスの隣に停まった。荷台の横腹には聞き慣れない会社の名前がペイントされていた。
 背の高い作業服姿の男の人が、軽トラから降りてゆっくりと職員室のほうに歩いていった。

らす・きあ蛇足話その34 ラッキー セヴン

むかしむかし、とある偉い先生から聞いたお話が印象に残っています。
「人間が同時並行処理できるアイテムは7個が限度」
とのこと。
ドラマにあてはめれば、7人以上のキャラクターを同時に動かすことは、作者も書きにくいし読者も理解しにくい、ということのようです。
「ワンダースリー」「ファンタスティックフォー」あたりは楽勝だけど、「七人の侍」「ワイルド7」あたりが限界で、「オリュンポスの十二神」「サイボーグ009」あたりになると、どうしても影のうすい活躍しきれないメンバーが出てきてしまうのですね。なるほど。
ひるがえって、「墓守虫」中心となる西中一年C組で名前のついている生徒が13人もいるじゃないですか。きっちり行動に意味をもたせている子と、物語の進行上必要な役割を果たしているだけの子がでてくるのも仕方ない状況。
全員の背景は設定されてはいるのですが、全部書いてしまうと物語の構成が破綻してしまうので、ここはがまん。
読者さんがちゃんとついてきてくださるように整理しなければいけませんね。

ラス・キア 子守唄墓守虫(ララバイ・シデムシ) 第33回

 隙のない立ち姿に、伏見先生が教えようとしていたのはこれだったのかと納得してしまった。
 一瞬、状況を忘れて見とれていた僕は、生暖かいものが手の甲に滴りおちたのを感じてはっとした。
 顔面を押さえた住之江の指のあいだから、血があふれてこぼれていた。
「けがしたのか?」
 目から涙を、鼻と口から血を流し続ける住之江を助け起こしてなんとか立ちあがらせた。
「保健室まで歩けるか?」
 門真が苛立たしげに叫んだ。
「そいつが勝手にすっ転んだんや!」
「動くな!」
 キアの竹刀が門真の喉仏にわずかに触れた。
 門真は思わずのけぞって口元をひきつらせた。
「はよ連れったれ」
 まっすぐ前を見たまま、キアが僕に言った。
 あらためて周囲を見まわしたが、他の生徒達は三国も含め、置物のようにかたまっている。
「誰か先生を呼んできてくれよ」
 僕の頼みにも動こうとするやつはいなかった。
 状況は気になったが、行きがかり上、僕が住之江を保健室に連れて行くしかなさそうだった。
 ふてくされた門真と静かに熱くなっているキア、無言の同級生達を残し、僕は住之江の手をひいて保健室へ向かった。

 住之江の症状は鼻血と前歯の脱臼だった。
 壬生先生は応急手当をしながら生徒の自宅と歯科の校医に電話をかけた。どちらもなかなか繋がらないようだ。
「烏丸君。ごめんやけど、宇多野先生さがしてきて」
 養護教諭に頼まれて、僕は職員室に走った。
 途中、体育館へ戻る伏見先生を見かけてほっとした。
 担当教科の授業は入っていない時間のはずだったが、宇多野先生は席にいなかった。
「ついさっき、教室に行く言うて出て行かはったよ」
 他の教師にそう教えてもらって、僕は階段を駆け上がり、一年C組の教室のドアを勢いよく開けた。
「宇多野先生!」
 教壇の下に立った先生の背中がびくっと震えて両腕が跳ね上がった。振り向いた拍子に後ろの机に置かれたケージに肘がぶつかり、がたりと揺れた。
 驚いた文鳥がぴいぴいと騒いだが、先生はそれ以上に泡を食っているようだった。
「な……あ……か、烏丸か」
 なんとか態勢をたてなおし、とってつけたみたいに厳しい顔になった。
「まだ授業中だろうが。体育館に戻れ」
「けが人です。保健室に連絡をとってください」
 想定外のことを言われたせいか。ふっと目の焦点がぼけたみたいだ。
「……先生?」
 僕が一歩前に出ようとしたところでチャイムが鳴った。まもなく、男子生徒達がどやどやと戻ってきた。
 宇多野先生はようやく何をしなければならないか飲み込んだようで、生徒達に肩をぶつけながら教室を出ていった。
 男子達は担任など無視して着替えを始めた。住之江がいないのは当然として、キアの姿も見えなかった。
 門真がこっちを見て思わせぶりに笑った。
 僕は胸騒ぎを覚えて、男子達のざわめきのなかにはいりこもうとした。
 誰でもいいから、あのあと体育館で何があったのか教えて欲しかった。ところが、みんなはなんとなく僕を避けて、まともに話しかけることすらできなかった。千林は相変わらず敵意をこめた目を向けてきた。常盤でさえ僕を見るとあわててカッターのボタンをとめるのに忙しいふりをした。
 そのうちに更衣室で着替えを済ませて戻ってきた女子たちが何やらざわざわと騒ぎだした。
 なんだか全員が熱にうかされているみたいで、僕ひとりが蚊帳の外に置かれた気分だ。
 御影に事情を聞こうと思いついたときにはもう、四限目が始まってしまった。

 昼休みになってもキアは戻ってこなかった。
 職員室へ偵察に行こうとした僕は、本山に呼びとめられた。
「ちょっと来てえよ」
 横柄な口振りにかちんときたが、相手は女の子だ。しぶしぶついて行った先は、以前、大宮と一緒に弁当を食べた階段の踊り場だった。
 先に来ていた男子上級生が、こちらを見てひょいと手をあげた。
 髪は深紅のメッシュを残して赤茶色に染め直し、前をはだけたカッターの下には蛍光イエローのTシャツ。
 江坂だ。
 本山は僕を置いて階段を駆けのぼり、江坂にぴったりと身を寄せた。
 江坂は何のためらいもなく本山の腰に左腕をまわした。
「コレがどうしてもお前に訊いて欲しいことがあるて言うんや。まいるで」
 僕はほんの少しだけ頭をさげた。
「急いでいるんで、手短にお願いします」
 一応、上級生をたてて丁寧に返事したつもりだったが、本山は不満そうだった。
「誰に向かって口きいとん……」
「ええがな。こうゆう奴や。俺も暇やないし」
 へらっと笑いながら、左手は女子生徒のスカートをなでまわしている。
「こいつにやった石ころが、教室でのうなったんやと」
 あの宝石のことか。それでさっき女子が騒いでたのか。
「高価な品物を、学校に持ち込んだまま置きっぱなしに?」
「家に置いとったら親にみつかってまうやん。あのばばあ、勝手に人の部屋を掘り返すねんから」
 そりゃあ、母親なら今のきみを見て心配もするさ。
「体育の授業中は教室に鍵かけとうはずやのに、あんたが入りこんどったて男子に聞いたんよ」
「それは宇多野先生が先に開けていたから……」
「へえ、容疑者が二人になったで」
「先生を泥棒呼ばわりするのか」
「なら、お前が犯人か?」
「僕じゃない」
「聞いたか?」
 江坂は本山の耳に息がかかりそうなほど唇を近づけた。
「こんなんで何もわかるかいな。もうええやろ。あきらめぇな。光りモンが欲しいんなら、またやるけ」
 本山はぷくっと頬をふくらましたが、そこを江坂につつかれて吹き出した。
「あん、いけず」
 僕は肌をミミズが這うような気持ち悪さに耐え、二人を残してその場を離れた。
 後ろでけらけらと笑う声が聞こえたが、振り返る気にもなれなかった。
 それでも、江坂がクマゼミを投げたときと同じ目で僕を見ていることは感じていた。

 教室には戻らず、職員室にむかった。ちょうど玉出先生が廊下に出てきて、並びの生徒指導室をノックしたところだった。ドアを半開きにして顔をだした伏見先生が、一言二言玉出先生に声をかけてすぐにひっこんだ。
 ぼくは職員室に入ろうとした玉出先生の袖をつかんだ。
「葺合はあそこにいるんですか」
 玉出先生は眉をしかめて生徒指導室をちらっと見た。
「伏見先生が面倒みとう。手助けはいらんそうや」
「じゃあ、僕から伏見先生に説明を……」
「呼ばれもせんのに、でしゃばらんでええ」
「でも……」
 先生は職員室とは反対側の壁に僕を押しやって低い声で言った。
「これ以上、話をややこしゅうせんとってくれ。あのアホが素直に謝らんせいで、教師ものぼせてもとんや」
「葺合は悪くないんです」
「いちいち横から弁解したるんが友情やないで。落ち着け」
 僕よりも落ち着いていないのは先生だ。
 伏見先生の石頭には、玉出先生でも手を焼くのか。
 キアのことは心配だったが、先生は譲ってくれる気などない。しぶしぶ教室にもどるより他はなかった。

 SHRが終了したあと、もう一度生徒指導室に行ってみた。
 部屋はがらんと開け放されていて、誰もいなくなっていた。
 職員室をのぞいてみたが、キアはおろか、伏見先生も玉出先生もいなかった。安土先生ににらまれ、黙ってひきかえした。
 階段をのぼりきったあたりで、大人の男の人の怒鳴り声と女子生徒の泣き声が聞こえてきた。目の前の一年C組の教室から、数人の生徒達がそそくさと出て行った。
 今度は何の騒ぎだ。

「あらすじ」をまとめました

「子守唄墓守虫」に続いて、第一作「脚高蜘蛛追跡」と第二作「鳥たちの杜」のあらすじもまとめて別館資料室に掲載しました。

今までの読者さんで初めのほうを忘れちゃったという方、長い話なので読み始める前にどういう内容なのか知っておきたいという方、どうぞご利用ください。

自分で要約してみると、ストーリーラインが整理できていないのがバレバレでもう、お恥ずかしいかぎりです。
本編読まずにあらすじだけ読んですませる人もいるかもしれないけど、それはその程度の読書意欲しか刺激しなかったということで、仕方ないのだろうと思います。

らす・きあ蛇足話その33 そろそろナベを火にかけます

炒め物料理のこつは、先にすべての材料を切りそろえ、調味料を準備し、北京ナベをしっかりと余熱しておくこと。
準備が整ったら、最大火力にして材料を順番に放り込み、焦げつかないようにナベごと揺すってかきまぜます。決して火を弱めたり、手を止めたりしてはいけません。
周到な下ごしらえと一気呵成の本番。
そして、材料に完全に火が通ってしまう直前にコンロから降ろすこと。なべと材料の余熱で最終的にほどよく仕上げます。
野菜炒めなら日ごろから実践していることだけど、小説となると話は別。
うまくいきますかどうか、どうぞ見守ってやってくださいね。

フォトコンテスト

某・昆虫探偵漫画を原作とした映画の宣伝企画で、昆虫のフォトコンテストが開催されていました。

昆虫探偵ヨシダヨシミ× 写真部フォトコンテスト

こうして見ると、ムシが好きな人って意外とたくさんおられるのだな、ということがわかって、なんだかほのぼのと嬉しくなってしまいます。
どの写真にも小さな生き物への愛情があふれていて、すてきです。
撮影がとても難しいことも身をもって感じているので、写真家のみなさんの熱意には頭がさがります。

ラス・キア 子守唄墓守虫(ララバイ・シデムシ) 第32回

「気がついてたのか?」
「さっきまで自分で見せびらかしてたわ。それが騒ぎの発端」
 宇多野先生がひっと声をあげて本山を突き飛ばした。左手の甲に歯型がついて、皮膚のめくれた部分に血の玉が浮き上がってきた。
 本山は机に背中を押しつけて、先生をにらんだ。
 先生は傷ついた手をかばいながらも、目を血走らせてじりじりと女子生徒ににじり寄った。
「装飾品は校則違反だ。職員室に来い」
 近寄られた分、本山はぎしぎしと机を押して後ろに下がった。塚口は棒立ちになって先生を見ていた。
「いやなら、ここで今すぐはずせ」
 眉をつりあげて何か言おうとした本山がはっとした。
 廊下から中窓越しにこっちを見ているやつに気がついたのだ。
 売布だ。長身を窓の高さまで折り曲げ、以前キアに向けたのと同じ、爬虫類のように冷ややかな目でこの場のやりとりをながめていた。
 その後ろにくっついて落ち着きなく身体をゆすっているのは高井田だ。
 本山は不承不承といった体で両耳のピアスをはずした。宇多野先生の接近をかいくぐり、スカートのポケットに握り締めた拳をつっこんでそっぽを向いた。
 ダイヤの輝きが視界から消えると、先生は憑き物が落ちたみたいにいつもの表情に戻った。それ以上深追いしようとはせず、本山に背を向け、足をひきずって教壇にのぼった。
 塚口と二年生たちは目配せして教室から出ていった。
 本山と仲のよい女子が聞こえよがしに文句を言った。
「なによ、あれ。二年には何にも注意しないわけ?ずるい。ひいき!」
 宇多野先生は聞こえないふりをしていたか、本当に聞いていなかったのか。生徒たちに声をかけることもせずにいきなり板書を始めた。
 僕は御影に小声で訊いた。 
「女の子って、あんなアクセサリを取り合ってつかみあいのケンカをするのか?」
 御影は僕を振り向いて目を丸くした。そして、心底ばかにしたように笑った。
「取り合ってたのはピアスじゃないわ。ピアスをくれた江坂よ」
「え……」
 僕がことばの意味を飲み込むより先にキアがつぶやいた。
「乗り換えた男はほっといて、女どうしで噛みあうんかよ」
 本山が急に色っぽくなったわけに思い至って、頭がくらっとした。
 教室の前の廊下を売布がすまして通り過ぎた。高井田はその横に追いつこうとしていきなり足払いをくらった。膝をしたたかに打ってうめく元手下を残し、売布は振り向きもせずに去っていった。


2003/09/08 Mon.

 朝の台所で弁当箱に飯を詰めながら母さんが言った。
「聡、この頃よく食べるわねえ。お弁当箱、ひとまわり大きくしたのに全然残さないし」
 僕はトーストを喉につまらせそうになって、あわててマグカップのミルクティーを飲み下した。
「おかず入れを別にしよか?」
「いや、いい。そこまではいらない」
 あわてて母さんに手を振った。
 今までもキアの面子を損ねないように様子をうかがいながらお昼をわけていたのだ。
 あまり露骨なサービスをしたら、かえってそっぽを向かれてしまう。
 母さんは菜箸で卵焼きをつまみあげながら小首をかしげた。
「ほんまは、あんまり塩分や澱粉質を摂らさんほうがええんよ」
「え……」
「雨がかからんようにしたげてる?」
「ええっ……」
「別にうちで飼うたらあかんとは言うてへんよ。三匹も四匹もおったら、ちょっと窮屈やろけどね」
 思わず噴き出しそうになって口元を押さえ、背中をまるめた。
 母さんは僕が仔犬だか猫だかに餌をやってると思っていたらしい。きょとんとして僕の肩がひくひく震えるのを見た。
「ちょっと……カメかタヌキくらいならええけど、まさかイタチやとかウリ坊とか言わんとってよ」
「いや……そんなんじゃないんだけど……」
 うっとうしい出来事が続いて殺伐としていた気分が、なんとなくなごんでしまった。
 母さんになら、人間の男の子なんだと話しちゃってもいいかもしれない。
「ん……実はさあ……」
「めずらしくご機嫌だな、聡。いいことでもあったのかな」
 父さんがリビングから台所をのぞいた。とたんに胸の奥がしん、と冷たくなった。
「別に」
 僕は話を打ち切って弁当箱の袋をつかみ、父さんの横をすりぬけて玄関に向かった。

 三限目の体育、男子は剣道の初日だった。
 体育館の壁際には係の生徒が倉庫から運んできた竹刀が山積みにされていたが、伏見先生は見向きもしなかった。
 生徒たちを整列させると、基本的な所作から教え始めた。
 両足を軽く開いてまっすぐ立つ、きょろきょろ余所見をしない、礼の角度は二十度、膝を片方ずつついて正座する、手を膝にのせたら動かさない。
 立つ、礼、座る、礼、立つ……。
 単調な稽古が何十分も繰り返されたが、剣道三段の先生に敢えて逆らう者はいない。
 もうあと十五分ほどで終了という時、三年担当の体育教師が重い扉を押し開けて顔をつっこんできた。
「伏見先生、ちょっと……」
 先生は
「そのまま待っとれよ」
と言い残して体育館を出て行った。
 生徒だけになったとたんに、門真が大あくびをした。
「あほくさい。チャンバラできるか思うて出てみたら、なんやねん。フケとったほうがましやったで」
 そうしてぶらぶらと列から離れると、積んであった竹刀を一本とって、ぶんと振った。
「自主トレや。ほれ、つきあえ、カス」
 竹刀を投げつけられた住之江はかろうじて受けとめ、おろおろと周囲を見まわした。
 周りの生徒たちがじりじりと後退したせいで、彼の周囲に直径二メートルほどの空間ができてしまった。前へ出ようとした僕は三国に阻まれ、はらはらしながら成り行きを見守った。
 門真はTVゲームのキャラクターのように格好をつけて、頭上でぐるりと竹刀を振り回し、住之江が手にした竹刀めがけて打ちおろした。
 ばしんと大きな音がした。
 住之江はへっぴり腰で後じさった。竹刀を持った両手で顔をかばいながら泣きそうな声をあげた。
「やめて……」
 門真が容赦なく二度、三度と竹刀を振りおろした。
 住之江はとうとう竹刀から手を離して悲鳴をあげた。逃げ出そうとした足に自分が落とした竹刀がからんで、棒杭のように転倒した。顔面がもろに床にぶつかって、ごつん、とにぶい音をたてた。
「危ない!」
 顔をおさえて転がったままの住之江に、なおも門真が竹刀を振りおろそうとした。
 これはもう放っておけなかった。
 僕は襟首をつかもうとした三国に体当たりしてつっ走った。
 住之江の身体の上にダイブしておっかぶさった。
 身を固くして打撃にそなえた。
 頭上でぱしり、と音がした。
 振り仰ぐと、僕の頭の二十センチほど上で、キアが竹刀の先端をつかんでいた。
 門真はとっさに腕を引き戻そうとしたが、キアは手を放さない。
 じりじりと竹刀を持ち上げ、ぐいと横にねじった。
 門真は竹刀ごと転がされそうになり、たたらを踏みながら、かろうじて持ちこたえた。
「竹刀はイジメの道具やない」
 床に片膝をついたまま、キアは門真を燃える目で見上げた。
 その声は低く静かだったが、有無を言わせぬ力がこもっていた。
 門真はびくっと身を震わせ、すぐに口惜しそうに顔をゆがめた。
「うっさいんじゃ!」
 大上段に振りかぶったところで、喉元すれすれに竹刀の切っ先をつきつけられて凍りついた。
 キアが住之江の竹刀を拾い、ぴたりと正眼に構えていた。

らす・きあ蛇足話その32 女の子

「墓守虫」について、「女の子の出番が少ない」というご意見をいただいたことがあります。
前にも書いたとおり、晩熟(おくて)な聡の一人称なもので、なかなか女子には目がいかないようです。
今は滋のことで頭がいっぱいみたいだし。
それでも、言われて見れば確かに色気が不足しているかな、とも思ったし、せっかくのご指摘だったので大筋にからめて女子の登場人物を増やしてみました。

増やしてみましたが。
色っぽいはずだったんですが。
やっぱり、こんな書き方になってしまいました。
同性にはどうしても表現が辛くなってしまいますね。
男の子だったら、わりとかわいく書けるんだけどなあ。

ラス・キア 子守唄墓守虫(ララバイ・シデムシ) 第31回

 僕の気持ちを察したように、キアは自分から単刀直入にきりだした。
「昨日、先コにはスーパーであの刑事が何してたか聞かれただけやで」
「一ヶ月近くも前のことを、何で今頃蒸し返すのさ」
「玉出は高井田を連れて警察に行くまで、何も知らされてへんかったみたいやな」
「店からも警察からも学校には連絡が行ってなかったのか」
「それか、教頭が玉出に言うてへんかったかや」
 僕はイチジクの皮をむきながら、思案にふけった。
「刑事さんが店に来てたなんて、聞いてなかったぞ」
「別にええやろ。俺は何もしてへんし、何も知らんかったで通したし」
「事情を聞かれてたせいで帰りが遅くなって、お父さんに叱られたんだろ」
 キアは肩をすくめてイカの天ぷらを噛みちぎった。
 親のことは話してくれそうになかったので、しかたなく質問を変えた。
「最初につかまったのは高井田か?」
「実行犯は金岡や」
 僕は口に運びかけたイチジクを取り落としそうになった。
「玉出がカマかけてきたんで、逆に聞き出せた。せびられていた金を払いきれんようになって、ウロがきとったんやろ。慣れんことするからあっという間につかまって、すぐに高井田の名前を吐いたらしい」
「お前を巻き込んだのは高井田か」
「俺だけやない、あの刑事に絞められて、芋づるで何人か釣りあげられたようやな」
 今までは西中生が万引きをしても、店から家と学校に直接連絡がはいって、親が謝罪に行って弁償して終わり、というのがパターンだった。 誰も警察を呼んだりしないので、補導センターに呼ばれても証拠不十分でたいしたことにはならないと、生徒達は高をくくっていた。堂島刑事の介入は管理職の教師たちにとっても予想外だったろう。
 大人たちの世界もしっくり仲良くいっているわけではない。そんなことぐらい知っているつもりだった。
 それにしても、同じ学校の中、同じ警察の中でさえ、情報が伝わらないこともあるんだろうか。
 玉出先生や壬生先生はこの事態をどう考えているんだろう。
 僕はイチジクを飲み込んでキアに向き直った。
 先生たちのことより、今は友達が心配だ。
「キア、『李下に冠を正さず』って、知ってるか」
「リカンカン……?」
「いくら悪いことをしてなくても、人に疑われるような行動は慎まないと危ないって意味だよ」
 勇の自転車の鍵を捜してくれたのも、千林を追いかけたのも、事情を知らない刑事さんから見れば不審な行動だろう。
 キアはふん、と鼻をならした。
「大人の顔色ばっか気にして動けるか」
「本当のことを伝えるのが難しい時には仕方ないじゃないか」
 キアは口の端を片側だけ持ち上げて、皮肉な笑みを浮かべた。
「ほんまのことゆうんはな、ラス。大人が自分らの都合にあわせて信じたい思うてることになってくねんで」
「そんな……」
「心配せいでも、お前にとばっちりがいくようなドジは踏まんよ」
 言い返そうとしたところで、どやどやと人が近づいてくる物音に気がつき、あわてて祠の陰に身をひそめた。
 白いヘルメットに揃いの作業服を着た大人の男女数名が、三脚だのカメラだの、よくわからない計測機械らしきものをかついで池のほとりに集まっていた。
 ひとりはデジカメを構えてあたりの写真を撮り始め、ふたりは巻き尺をごろごろと引き延ばして歩いていった。残りは地図らしき大きな紙をひろげてのぞきこんでいる。
 僕らは作業を進める人たちの目につかないように、身をかがめてそっとその場を離れた。


2003/09/04 Thu.

 太平洋を迷走していた台風十九号は、水曜日の真夜中に列島を横断してまもなく勢力を落とした。
 生徒たちの祈りもむなしく、暴風雨警報は朝までに解除され、学校は一日も休みにならなかった。
 おそらく天気とはまったく関係のない理由で、高井田はほとんど教室に出てこなくなった。
 登校はしてくるのだが、授業が始まっても廊下や校庭の隅をひとりでうろついていることが多い。
 玉出先生を避けているようで、先生が授業をしているとわかっている時間には気が抜けたみたいに自席にへたりこんでいたりもする。
 不思議なことに、いままでたむろしていた旧校舎の部室には近づこうとせず、淡路や茨城とさえ一緒にいるところを見かけない。かといって欠席するわけでもない。学校の外に出たら、今度は堂島さんにつかまるとでも思っているのだろうか。
 うそうそと落ち着かない高井田にかわって、大きな顔をし始めたのは門真だ。当惑気味の三国をひきずって、自分がクラスのボスだとでも言いたげに偉そうな態度をとっている。
 さしたる理由もないのに、弱いものへの下品なからかいやちょっかいをしつこく繰り返す。成り上がりのさもしさで、高井田より始末が悪かった。
 一番の標的になっているのは住之江だ。席がたまたま門真の前になってしまったことで、授業時間中ずっと背後から鉛筆でつつかれたり消しゴムを奪われたりしている。
 黙ってがまんしている住之江を、キアは最後列からずっと見ていた。昼飯時には僕に何か言いたそうにしていたが、結局どちらもその話題を切り出すことはしなかった。

 すっきりしない気分のまま青池から戻ってみると、教室から耳に痛いほどの金切り声が聞こえてきた。
「このドブス、クソダボ、サル!」
「ボケ、タコ、カス女!」
 人だかりの真ん中で、二人の女子生徒がにらみあっていた。
 ひとりは本山、もうひとりは以前から目立っていた茶髪の二年生だ。
 何が発端かわからないが、もうかなりの時間言い争っていたらしい。かすれかけた声で、およそ女の子らしくない罵りことばをくりかえしぶつけあっている。
 僕は二人を迂回して御影のそばに行った。
「とめなくていいのか?」
 いつもは仕切りたがりの彼女が処置なしというように両手のひらを上に向けた。
「おもちゃの取り合いみたいなものよ。ばかばかしい」
 御影ほど冷静になれない女子たちが、はらはらしながら二人を遠巻きに見守っていた。二年生も数名まじっている。
 とうとう本山が二年女子の頬を張り倒した。負けじと相手は本山の髪をつかんでひっぱった。本山がとっさに相手の襟元に手をかけたので、二人は団子になってバランスを崩し、そばの机にぶつかった。
「もう、やめぇよ、塚口」
 見かねた二年生のひとりが塚口と呼ばれた女子の身体を抱いて引き離した。その拍子に、ぎちっとつかまれたままだった本山の髪が数本まとめて引き抜かれた。本山は悲鳴をあげて、後ろから腕をとろうとした同級生を払いのけた。
「離してぇよ!」
 塚口が腹を抱えられたまま、くの字に身体をまげた。
「静かにせんか。もうチャイムは鳴っているぞ」
 いつもとちっとも変わらない口ぶりで入室してきたのは宇多野先生だ。
 いつもとは違う女子生徒たちの惨状に気がついて、一瞬呆けたように足をとめた。当惑気味に漂った視線が、何かをみつけた。
 宇多野先生はつかつかと本山に歩み寄り、髪をおさえている手をつかんでひっぱりあげた。
「おい、何をつけている」
 いやがって頭を横に振った本山の耳元がきらりと光った。
 ピアスだ。グラニュー糖のように小さい透明な飾りだが、安物には見えない。
「……ガラスの屈折率じゃないな」
 僕の独り言に御影が肩をすくめた。
「ダイヤモンドよ」

「子守唄墓守虫」の「あらすじ」をまとめました

「ラス・キア 子守唄墓守虫(ララバイ・シデムシ)」
タイトルも長いですが、本文もけっこう長くなってきました。

「少しずつ読んでいたのでは最初のほうのストーリーを忘れてしまいそう」とのご意見もいただきましたし、これから読み始めたいけど過去ログを読むのはめんどくさい、という方もおられるかと思います。

そこで、第一章から第四章までの「あらすじ」をまとめて、別館のサイトに掲載しました。
PCの方は左サイドバーの「もくじ」に設けた「あらすじ」からアクセスしていただけます。
携帯の方はこちらからお入りください。

らす・きあ蛇足話その31 日本語で文章を書くということ

私は日本語で文章を書き、それを全世界から閲覧可能なかたちで公開しています。
常々忘れてはならないと考えているのは、
「日本語を読める人の範囲は、自分で思っているより、きっと、ずっと広い」
ということです。

何十年も前から日本語を読み書きしている人かもしれない。
まだまだ読めない漢字やわからない言い回しがたくさんある人かもしれない。
日本人でなくとも何かの縁で、日本語を学んだ人かもしれないし、学ばなければ生きてこれなかった人かもしれない。
日本語で幸せなことばをかけてもらった人かもしれないし、傷つけられた人かもしれない。

できることなら、どんな人が読みに来てくれたとしても、
「これは私が読むことを想定された文章じゃない」とか「こんなもの読むんじゃなかった」とか、そんな気持ちにだけはなっていただきたくない、と考えています。
(小説は全体を通して読んでいただくことを前提として書いていますので、部分的には不愉快な表現もあると思いますが、ブログの雑文はそうはいきませんよね。)

世の中にはなにぶん想定外の事実が多いので、私の注意のいたらない面もあるかもしれません。
もし、いやだな、と思われた方がいたら、教えていただけるとありがたいです。

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